2008.2.19(火)

 ドラッグストアで歯ブラシを購入する時にいつも思うのは、あんなに歯ブラシがたくさんあるのに、僕が求めているものはひとつもないな、という事である。僕は10歳の頃に矯正歯科に通い始め(今でも時々通っている)、そこで歯磨きに関する英才教育を受けてきた、言わば『歯磨きエリート』である。その矯正歯科に行くと貰える歯ブラシこそが僕の求めている歯ブラシなのだけど、どういう訳かドラッグストア等にはそれは置いてないのである。といっても、それはそんなに特殊な形状をしている訳ではなく、むしろ限りなくシンプルな歯ブラシである。別にブラシの部分が山切りカットになっている必要はないし、超極細毛である必要もない。まして、毛先が球になっている必要なんて全然ないのである。僕が求めているのはシンプルでコンパクトな歯ブラシなのだけど、ドラッグストアに置いてあるものは妙な『味付け』をしているものが多く、「ちょっと違うな」と思ってしまう。個性を押し出すがゆえに没個性的になる、というのはいろいろなところで聞く話だけど、これは歯ブラシ界にも当てはまるのかもしれない。

 そもそも、21世紀だというのにいまだに歯ブラシで歯を磨かなくてはならないという状況はどうなのだろう。これは洗濯で言えば、洗濯板で衣類をごしごしと洗っているようなものではないのか。かなり前近代的な行為である。スイッチを1つ押すだけで歯がぴかぴかになる、『全自動歯磨き機』というものがあったとしても全然不思議ではないと思う(電動歯ブラシはちょっと違う。あれは歯磨きの一工程を自動化したに過ぎない)。1回歯磨きするのにかかる時間が10分として、1日2回で20分、それが毎日続いている訳である。この時間と手間を軽減する事ができたら、人類にとってどれほどの恩恵があるか分からない。例えば環境問題は急を要する課題かもしれないけど、この『歯磨き全自動化問題』も同じくらい重要だと思う。 


2008.2.18(月)

 先日、携帯電話の機種を変更したのだけど(実に5年ぶり)、その際のサービスとして『iチャネル』という機能が一週間無料で使えるというものがあった。このiチャネルとは、携帯電話を開くと画面の下部にその時どきのニュースが表示されるという機能の事であり、僕は「なんと便利な時代になった事か」と思って21世紀に生きている事の喜びを噛みしめていたのだけど、一つの問題が発生した。携帯電話を開くとその度に『一家心中』とか『児童買春』等という文字が躍り、僕はその度に少し暗い気分になるのであった。そのような訳で、僕はiチャネルを利用しない事に決めた。


2008.2.2(土)

 就職活動は基本的に減点方式なのだなあという事に、最近になってようやく気付いた。例えば面接の際に寝癖がついていると相手の心証を悪くするだろうし、お昼に食べたミートソースが口元についているのもやはり良くない。0点からスタートして、得点をどんどん減らされていく感じだ。

 僕は今まで人に対して『オール加点方式』というものを採用してきたので、このような減点方式は新鮮に感じられる。このオール加点方式に従えば、寝癖がついている人を見ると「斬新な髪形でファンシーな人だな」と思うし、口元にミートソースがついている人を見ると「なんてチャーミングな人だろう」という事になるのだけど、面接ではそうも言っていられないのであろう。なぜならそんな方式を採用してしまったら、会社の中は口元を真っ赤にした、ぼさぼさの髪形の人ばかりになってしまい、業務が停滞する事は目に見えているからである。

 そんな事を考えているうちに、僕の中で減点方式がブームになってしまった。といっても、人に対して減点を行うのではない。減点の対象は自分である。例えばコンビニのレジでの支払いの際に、
・財布からお金を出すのにもたもたしてしまった。→1点減点
・財布の中身を床にぶちまけてしまった。→10点減点(ゲームオーバー)
というような感じである。スリルがあってなかなか面白いので、つい色々な場面でこれをやってしまう。これをずっと続けていけば、面接の際に役立つ。…かもしれない。